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美術

  • 2022年8月10日
  • 2022年8月15日

満たされぬ憧憬―竹久夢二「黒船屋」

竹久夢二の代表作「黒船屋」 大正時代を象徴する画家である竹久夢二は恋多き男として知られる。年上の岸たまきとの結婚と刃傷沙汰と経ての離婚、画学生の笠井彦乃との逃避行の末の別離、歳の離れたモデル「お葉」こと、佐々木カ子ヨとの愛憎。 「恋愛のない男女生活はもはや私の趣味ではない」という夢二にとって、恋愛遍 […]

  • 2022年1月3日
  • 2022年8月15日

頂きから頂きへ―速水御舟「炎舞」と「名樹散椿」

梯子の頂上に登る勇気は貴い、 更にそこから降りて来て、 再び登り返す勇気を持つ者は更に貴い。 大抵は一度登ればそれで安心してしまう。 そこで、腰を据えてしまう者が多い。 登り得る勇気を持つ者よりも、 更に降り得る勇気を持つ者は、 真に強い力の把持者である。 「速水御舟語録『美術評論』四巻三号 193 […]

  • 2021年10月26日
  • 2022年8月15日

私の絵は純粋か―佐伯祐三とパリ

「アカデミック!」 佐伯の絵を見るなり、ヴラマンクはそう大声を発したという。 この激しい否定に合って、彼は「自身の絵」の探求をはじめることになる。野獣派を代表する画家モーリス・ド・ヴラマンクを訪問したのは、1924年。渡仏してから、半年あまりが過ぎた頃だった。 彼はそれから暫くまるで自分の内奥を見つ […]

  • 2020年6月7日
  • 2022年8月10日

孤独な魂の発露―モーリス・ユトリロ「白の時代」

「白の時代」とは モーリス・ユトリロ(1883年-1955年)は、パリ、モンマルトルの街並みを描いた画家である。 作品は約6000点に及ぶという。中でも1909年から14年頃の「白の時代」の評価が高い。 その名の通り、教会や小路などを描いた白を基調とする画面からは、静謐さと、そして、何とも言えない寂 […]