男性は3人に1人、女性は5人に1人が肥満
巷には数多のダイエット情報が氾濫している。
糖質制限や食品置き換え、筋トレ、有酸素運動など、枚挙に暇がない。
それもそのはず、厚生労働省「平成30年国民健康・栄養調査」によると、
肥満者(BMI25以上)の割合は男性32.2%、女性21.9%となっている。
つまり、男性は3人に1人、女性は5人に1人が肥満ということになるわけだ。
なお、肥満比率はこの10年間有意な変化はないという。
毎年のように登場する「新たな」ダイエットを試しては、玉砕していく人々のなんと多いことか。
かく言う私も30歳手前から急激に体重が増加し、60㎏台だった体重は90㎏を超えた。
もちろん増え続ける体重を前に、ただ手をこまねいていたわけではない。
炭水化物制限、ジョギング、プロテイン置き換えなど、あらゆるダイエットを試してきた。
しかし、一時的には効果があっても、結局はリバウンドし、元の木阿弥に終わった。
「この太った姿は仮の姿なんだ」と自らに言い聞かせ、服を選ぶ際にも「すぐに痩せるはず」
だから、今のサイズで買うと無駄になるという、全く根拠のない妄信を続け、早10数年。
人間は信じたいものを信じる生き物だとつくづく思う。
しかし、このままでは終われない。
まさに「いつもでもデブだと思うなよ」というわけで、はじめたのが月曜断食である。
月曜断食を実践
関口鍼灸治療院総院長の関口賢氏の著書「月曜断食」が文藝春秋から発行されたのは2018年。
効果や手法に関しては、各種メディアやブログでも取り上げられており、ダイエットに関心が
あれば、ご存じの方も多いだろう。
その名の通り月曜日は食事を摂らずに、水(軟水)だけを飲んで過ごすダイエット手法で、
胃腸の活動をオフにすることにより、修復や回復が進み、体調改善や代謝機能のアップ、睡眠
の質向上なども見込めるという。
・不食 月曜日は食べ物を断ち、基本は水だけを飲んで過ごす
・良食 火~金曜日は体に必要な栄養素を選んで食べる
・美食 土日は好きなものを食べ、食べる楽しみを満喫し、心を満たす
ただし、良食・美食期間を通じて1食分の分量は咀嚼した時の量で、こぶし2つ分まで、となる。
まずは、なぜ幾多のダイエットから「月曜断食」を選択したのかについて触れたい。
当たり前のことだが、摂取カロリー>消費カロリーの結果として、太る。
つまり、摂取カロリーを消費カロリーが上回れば、痩せていくわけだが、この状態を運動で
実現するのは難しい。
例えば、体重90㎏の人が1時間歩いて消費するカロリーは284㎉なのに対して、脂肪1㎏は7200㎉
もある。
痩せるためには、消費カロリーを増やすより、摂取カロリーを減らす方が効率が良いわけだが、
定期的な断食はその手段になり得る。
次にコスト面。
断食は基本的に「食べないだけ」なので、費用がかからない。
正確には断食日以外に食事制限があるので、食材の選択によっては多少費用が嵩む可能性はある。
ただ、酵素ドリンクやプロテインなどを定期的に購入するよりは、費用が掛からない上に、面倒
もない。
1カ月実践した経過は次の通りだ。
はじめに断っておくと、食べ物の選択など途中何度かルールを破ってしまったが、書籍記載のルールに則って、翌日の夜断食で調整した。
月 1日目 90.1 102
火 2日目 88.8 98
水 3日目 89.7 102
木 4日目 89.8 101
金 5日目 88.4 99
土 6日目 88.2 98
日 7日目 88.3 99
月 8日目 88.4 99
火 9日目 87.2 97.5
水 10日目 86.9 97
木 11日目 86.7 96.5
金 12日目 87.8 101
土 13日目 87.7 99
日 14日目 87.2 97.5
月 15日目 87.0 96.5
火 16日目 86.0 96
水 17日目 85.8 96
木 18日目 86.2 96
金 19日目 87.7 99
土 20日目 86.6 96.5
日 21日目 85.8 95
月 22日目 85.2 94.5
火 23日目 84.6 95
水 24日目 84.4 93.5
木 25日目 84.1 94
金 26日目 84.9 94.5
土 27日目 84.6 94.5
日 28日目 84.3 94
月 29日目 84.2 93.5
火 30日目 83.8 93.5
結果、1ヶ月で体重-6.3㎏、ウエスト-8.5㎝を達成した。
前日に比較して体重が増加している部分がルールを破ってしまった日だが、ルールを厳密に
運用していれば、さらなる減量効果があったことは間違いない。
おそらく、巷に流布しているどんなダイエットにもある程度の効果はあると思う。
実際、私が失敗したプロテインダイエットやジョギング等で痩せた方々も多くいる。
結局は継続できるかが全てなのだろうが、プラスアルファで何かを行うのではなく、むしろ余分なものを引くという月曜断食は続けやすいダイエットなのではないだろうか。
少しでも皆様の参考になれば、幸いである。
【参考文献】
関口賢著「月曜断食」文藝春秋 2018年
厚生労働省「平成30年国民健康・栄養調査」